屋久島は、九州最南端の鹿児島県佐多岬から、南南西に六十キロメートルほどの洋上に位置します。
この島は花崗岩が隆起して出来、九州最高峰の宮之浦岳をはじめ、千メートル以上の山々は四十六を数え、洋上のアルプスとも呼ばれています。
特異な地形により亜熱帯から亜寒帯まで、まさに北海道から九州までの気候がひとつの島で見られます。
島の90パーセントは森で、日本の植物種の7割以上を締める1500種もの植物が生育しています。
また屋久島だけに自生する固有種は約40種、屋久島を南限とする植物が約140種類、北限とするものが約20種も見られ東洋のガラパゴスとも呼ばれています。
推定樹齢7200年と言われる縄文杉を始めとする屋久杉の森、椎や樫を始めとする照葉樹の原生林などの森林、そのなかでも島の約20パーセントにあたる地域は1993年、東北の白神山地と共に日本で最初に世界遺産リストに登録されました。
この屋久島は雨が多く月のほとんどが雨と表現された小説があるほどです。
それは、暖かい黒潮に囲まれ高い山が多いため、周りの海からの水蒸気が山の斜面を上昇して雲を作り多量の雨を降らせるからです。
その降雨量は年間四千ミリから一万ミリメートルにも及ぶと言われています。
海岸近くから、標高千メートルを越えるあたりまで椎や樫など厚くて艶のある常緑の葉を持つ亜熱帯性の照葉樹林がひろがる多量の雨のため照葉樹林では蘭やシダ類の生育も盛んです。
また、600種にも及ぶコケが育つ世界有数のコケの楽園でもあります。
実のある樹木が多く、固有種である屋久猿や屋久鹿が生息する森です。
標高500メートルあたりから照葉樹に混じって姿を見せる杉は、1000メートルから1500メートルに多く自生しています。
屋久島は日本での杉の南限です。
杉の樹齢は一般的に300年ほどと言われていますが、推定樹齢7200年の縄文杉を始め、樹齢1000年を越える杉が数千本以上あると言われています。
屋久島では、樹齢千年以上の杉だけを屋久杉と言い、千年以下を小杉と呼んでいます。
屋久島の杉も普通の日本の杉と同じものでありますが、長寿になるのは多量の雨と屋久杉の樹脂の特性によるのだと言われています。
花崗岩で出来た土壌は、栄養分が少なく、杉の成長が他の地域と比べると遅い、そのため年輪の幅が狭く緻密になり木が硬くなる、そうなることで、樹脂胴に普通の杉の約6倍と言われる樹脂が溜まります。
樹脂には、防腐、抗菌、防虫効果があるため、屋久杉は長い年月の間朽ち果てることなく生き続けることが出来るのであります。
古くから屋久杉の価値が評価され江戸時代になると本格的に山に入り伐採されるようになりました。
年貢に定められていたこともあり、かなりの量が伐採されたと言われますが、残った長寿の杉は曲がったり、ねじれたりと格好が悪かったため伐採を免れたようです。
標高1600メートルあたりから亜寒帯性気候となり、屋久島シャクナゲ、屋久島シオガマなどの高山植物育ち、冬にはかなりの積雪量となり、屋久島は亜熱帯から亜寒帯まで気候とともに生育する植物も垂直的に分布しています。
雨の多い屋久島では、滝も多く見られます。
日本の滝百選にも選ばれた、大胡の滝や、雄大な千尋の滝などの迫力は見るものを圧倒する迫力です。
黒潮の海に浮かぶ屋久島は、日本列島全体の気候と自然が集約された島であります。
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